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校長の部屋アーカイブ 
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 とうとうこの日がやってきた。校長平田、今日が60歳の誕生日。でも、それはあくまでも個人的なこと。普段と同じようになんとなく1日が過ぎていくのだろうなぁと考えていた。
 それにしても校長平田は気になっていた。1月の後半、各教室を回っていくと、ヒソヒソ話のような声で、子どもたちや先生たちの「来た来た・・。校長先生、来た。」というささやきが聞こえてきて、何やら今までやっていたものを止めて、妙によそよそしい態度をとるようになっていた。平田は考えた。「もしや、俺は何かやらかしたというのか・・?教員生活も残すところあと2ヶ月だというのに・・・。あんなに人なつっこかった子どもたちが俺を見ると愛想笑いをし、何かを隠している。
 平田は自分の胸に手を当てて、よ~く考えてみた。よく分からない。誰かに相談しようにも、今更聞けない。あ~俺は何ということをしてしまったんだ。誕生日なのに、平田は朝から憂鬱な気持ちになっていた。
 時計が10時をまわった時だ。6年生の代表が突然、校長室に来た。「校長先生、お誕生日おめでとうございます。みんな待っています。体育館へ来てください。」
 平田は内心ホッとし、涙がちょちょ切れるほど嬉しかった。そうだ、これのために子どもたちも先生方もかくしていたのか。
 予想だにしていなかった2月1日、教員生活最後の地、内小友小学校の子どもたちがサプライズで還暦を祝う会を開いてくれたのだった。                     2019.2.1  撮影       校長先生の還暦をお祝いする会にて(体育館)
平成30年度
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