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校長の部屋アーカイブ 
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平成30年度
 長い冬休みが終わって久しぶりに子どもたちが学校へ戻ってきた。教師生活最後の1月の全校集会。校長は内小友小の子どもたちへ送るとっておきの話を準備してきた。
 昔話の「猪と月」。この話は、お世話になっているお月様に喜んでもらおうと動物たちが芸をして見せるものだ。猪は悩んだ。何も芸がなかったからだ。動物達は猪に「お月さまに怒られても知らないぞ。」「芸なしは仲間にしないよ、早く帰りな。」と猪をのけ者にしました。
 兎は杵つき踊り、狸は腹つづみ、狐は狐火を操る芸を、猿はそれらの芸をそっくり猿真似して見せたが、お月様はぜんぜん喜ばなかった。猪は弟の猪と悩んだ末、山の頂の台地を土俵に見立て、力いっぱい相撲を取った。
 その一生懸命さにお月さまは熱心になって観ていたが、やがて「わっはっは、のこったのこった!」と大きな声で笑った。そして、ほかの動物たちに「自分の自慢ばかりして他人を貶めてはならん!例え芸がなくとも一生懸命相撲をとって見せる、この姿勢こそが大事なのだ。」と言って叱ったのだった。
 校長は、結果の善し悪しで評価することを極端に嫌う。よい結果を出そうと、全力を振り絞ることが大好きなのだ。内小友小の子どもたちは見た目を気にして、泥臭いひたむきな頑張りが今一歩必要だと感じていた。地味な猪がお月様を喜ばせようと全力で相撲を取ったように、猪突猛進してほしいという願いを込めて話をしたのだった。
                              2019.1.15  撮影       全校集会にて(音楽室)