大仙市立西仙北東中学校
 学校通信 
2012.3.7 
No.41

 
第18期生の皆さん        ご卒業おめでとうございます 読書のすすめ    
 
 本日は,卒業式予行の日でありますが,明日の卒業式を控え,一足先に,第18期生の皆さんに卒業のお祝いの言葉を贈りたいと思います。
 卒業式の式辞では時間がありませんので,そのときとは異なる事を述べたいと思います。
私は,小学校に入学する前のことを家族に聞いたことがあります。その頃は,家族が昔話の本を読んで聞かせても,おそらく毎日同じ話だったので,暗記してしまい,ぺらぺらと話す子どもだったらしいです。しかし,小学校に上がってからは,字が下手で,消しゴムを使わずにノートの間違い字を指をなめて消すものですから,担任の先生に,かなりしかられたことを覚えています。
 中学校に入学しても字の下手さは変わりませんでした。中学1年生の1学期の期末テストが終わってから,答案を国語の先生に渡され次のように言われました。
「心一さん,あなたが答案に書いた自分の名前を見てください。」
 私はじ〜っと下手な自分が書いた名前を見ました。それから,その女性の先生はとても優しく言ってくれました。
「このようにね,字を乱雑に書くから成績も悪いのよ。もっと丁寧に書いてご覧なさい。」
 私は,それまで字を書くのをあまり意識しなかったように覚えています。でも,それから少しずつ,名前だけは丁寧に,を心がけたり,自分の名前の行書(「楷書(かいしょ)」がきちんとした字に対して「行書(ぎょうしょ)」は続き字と言われて,省略したりする字です。)を練習したりするようになりました。このように,字に対する劣等感で,国語全般が嫌いな生徒でした。
 その気持ちのまま,高校に進学しました。今度は現代国語の他に,古典や漢文などが出てきました。なんでこんなものを,と思いましたが,四苦八苦奮闘し,なんとか及第点だけはいただいたように覚えています。
 ところが,大学に進学してから「松本清張」という作家の本を何となく読んだところ,これが面白くて面白くて,何をしていても本のストーリーが気になってしようがありません。来る日も来る日も松本清張の本を読み出し,大体のところを読み終えました。そして,このときから,本の読み方として,面白い本の作家を読み続ければ,いつでも素敵な世界にいることができるし,自分の想像力もふくらむということに気がつき始めました。松本清張から,その頃はなぜか丸谷才一という作家に移っていきました。
 大学を出て,教員になったとき,中学1年生の学級担任をしました。ある女子生徒が読書感想文を書いて入選しました。その本が遠藤周作の「おバカさん」という本でした。とても読みやすい本でしたが,読んだ後に心にずしんと何かを感じたのです。遠藤周作は,高校生のときもコミカル的なものを読んではいましたが,あまりハットしなかったのです。ところが,これ以来,遠藤周作の本を片っ端から読み始めました。同じ作家の本を読み続けるスタイルです。キリスト教信者だった遠藤周作は,底に流れているものが,確固とした何か−弱いものをいじめない,弱い人をじっと見つめない,に代表する事柄ーを感じました。
 松本清張,丸谷才一,遠藤周作,そしてキリスト教つながりで曾野綾子,など大人になってから読書から離れることはありませんでした。そして,今でも,何冊かの本を持っていないと不安に駆られることがあります。今は,古本などがインターネットで簡単に購入できますので,読書環境としては,どんな本でも読むことができます。
 本を読むということは,テレビやラジオと異なり,字を追うこと,そのものが自ら行わなければならない行為です。それ故,かなり主体的な行為だと思っています。寝る前の10分間,学校生活の朝の10分間,通学時間や休み時間,仕事の合間など,いろんなときに,いろんな本を読んでみてはいかがでしょうか。何かに困っているときや,つまずいているとき,先人の行いや同世代の人々の考えが,あなたに勇気と知恵を授けてくれます。卒業しても,読書を何らかの形で続けてくださるよう祈念いたします。
 
 
沖縄県,岩手県,山口県教育視察団
 
 2月28日(火)の午後,岩手県北教育事務所から11名,沖縄県八重山教育事務所から5名,山口県萩市立萩西中学校から1名,そして大仙市教育委員会から1名の計18名が,本校の授業を参観し,その後本校で研究協議会を開催しました。
 授業は,1Aが美術「和の心をデザインしよう」〜和菓子モデルを作る〜で,1Bが理科「震源はどこだ?」地震の到着時刻から震源の位置を推測する学習,2Aが数学「面積を求めよう」辺の比や平行線の性質を利用して面積を求める学習,2Bが道徳「震災の中で」ともに支え合うことの大切さを自覚し,社会への奉仕を進んで実践しようとする学習,3Aが英語「The Fall of Freddie the Leaf」班毎に協力して大切なパートを心を込めて暗唱する学習,3Bが社会「入試必勝大作戦」3年間の学習内容を活用し,互いに協力し合って課題を解決する学習,でした。
 協議会では,授業の感想や様々な質問が出ました。箇条書きで紹介します。
・子どもたちが興味をもって取り組んでいる。最後まで子どもが説明している。
・授業を参観して開放感を感じた。
・学習に集中し,生徒はそれぞれ何かしら書き込んでいる。
・肥満傾向の生徒が少ない。
・となりの女子生徒が落とした消しゴムをさりげなく男子生徒が拾ってくれている。心が育っていると感じた。
・グループ学習では,男女が頭をくっつけるくらい近寄っていて,慣れていると思った。日常的に「学び合い」に取り組んでいるのがわかった。
・大型のスマートボードの活用がよかった。
・生徒に活気があって反応がよかった。先生と子どもの関係がよかった。
・授業の課題レベルが高すぎて,何人かの生徒がドロップアウトするかと思ったら,わからないことを質問し合っていた。
・授業の中で自己決定させる場を設けていた。学校通信が楽しい。
・生徒の表情が明るいし,中学校にしては授業が丁寧だと感じた。
・明るいところ,素直なところは沖縄県と同じだが目の輝きが違っていた。授業に活気がある,ノートをとるのがはやい。わかる,できる,楽しいにつながっている。すぐできるような課題を与えない。
・学び合いの授業がよくできている。自力解決の時間をあまり取らないことで,子ども同士で聴き合い,学び合っている姿がよく見えた。
・授業の中で暗い表情をした生徒が生徒が,担任に声をかけられるとふっと明るい表情になっていた。震災を扱ってはいたが,ボランティアを取り上げるなどして,生徒が深刻にならないように工夫していた。
 これらの感想の他に,「学び合いの方法について」「分からないを言える生徒の育て方」「一日入学について」「中1ギャップについて」「フォローアップシートについて」「課題設定について」「小中連携について」「読書指導について」「不登校について」「授業研究会について」「家庭学習について」「キャリア教育について」「単元評価問題について」「授業における評価について」など,たくさんの質問がありました。この質問のおかげで,私たち自身の教育を振り返る時間をもつことができました。
 
3年生の皆さん,校舎の壁塗り ありがとうございました
 
 3月6日入試の日,前期入試で合格した3年生の皆さんが,校務員の佐々木正信さんの指導の下に,生徒玄関の柱,公衆電話ボックスの中の壁を白いペンキで塗り直してくれました。また,3年生使用トイレを磨いてくれた生徒もいます。壁はぴっかぴかの真っ白になり,とても気持ちよいできあがりとなりました。校舎を愛する気持ちが伝わってきます。重ねてありがと
うございました。
 
 
一般入試が終わりました
 
 高校一般入試が昨日終わりました。本日の新聞にどのような入試だったか掲載されています。 数学を見ると例年と変わらない難易度だったとありました。私が見た限りでは,読みとる力をみる問題,教科書についている基本的な証明問題など,難易度に大きく幅がありました。また,いつも言われていますが,全国学力学習状況調査,秋田県学力学習状況調査,そして入試とこの3つが数学の場合は,かなり密接なつながりをもって問題が作られています。現1・2年生は,過去の問題を見ながら,問題をよく読んで,何を聞かれているのか理解する,まずはここから取り組んでみたらいかがでしょうか。