大仙市立西仙北東中学校
 学校通信 
2012.2.23 
No.39

 
 
 中学生人権作文コンテスト 秋田県大会作品集から
 学校通信No.36(2月1日号)でお知らせしました藤川由菜さんの人権作文コンテストで優秀賞エフエム秋田賞を受賞した作文集が,先頃届きました。由菜さんは,伝達収納の式で,この作文について,伝えることの思いが強いことを私たちに教えてくれました。今回,由菜さんの作文を作品集から転載します。

   「高齢者とそれを支える人の人権」

                                  大仙市立西仙北東中学校

                                               三年 藤川 由菜


 私の祖母は、現在入院中です。前に一度入院してから筋力が衰えてしまい、寝たきりになってしまいました。今では自分の口からご飯を食べることもできなくなりました。祖母も年なので、もう健康な状態に「治す」ことはできないのだそうです。病院は病気やケガを「治療」する場所なので、そうなると、長期間同じ病院に居続けることは難しくなります。
 そこで私たち家族は、「祖母をつれて帰り、そのまま家で看取る」か、栄養をとるための管をつけてもらい、福祉施設にあずける」かの選択を迫られました。うちの親は共働きで、祖母の介護資金や、その他の生活費のためにも、仕事をやめるわけにはいきません。家にずっと居るのは祖父だけですが、祖父に寝たきりの祖母の介護をするのは、負担が大きすぎます。家につれて帰っても、栄養をあたえてやることができないのです。きっと祖母は、長くは生きられないでしょう。施設にあずける場合、管は鼻からのどを通して胃までもっていき、一生つけたままになるので、しやべることは難しくなります。それでも、九年ほど生き続けた人もいるそうです。
 昔は食事をすることができない、となったら、「寿命だから、しようがない。」と言って、自分の家で家族に看取ってもらうのがふつうだったそうです。しかし今ではそれは、まだ生きる道があるのに、それを断ち切ってしまうことになります。
 胃に管を通し、流動食を与えることを、経菅栄養といいます。私の祖母はそれしか栄養を取る手段がないほど体が弱ってしまっているので、施設の行事などで歌を歌ったり、手をたたいておどったりはできません。もし施設にいれるとなると、食べる楽しみもないまま生き続ける事になります。
 「人権」が人間が人間らしく、自由に生きるための権利だとしたら、この二つの選択肢は、どちらが人権に反することになるのでしょうか。
 中学校で初めて習った憲法では、どちらを選択してもまったく問題ありません。しかし、やはりなにかモヤモヤした気持ちが残ります。意思疎通ができなくなった祖母は、きっと自分の生死に関わる話を家族がしているとは思っていないでしょう。このモヤモヤは、たぶんそれが原因なのだと思います。もちろんこれは誰が悪いなどではありません。体が弱くなってしまったのは年齢を考えればあたり前だし、家で介護できないのもしょうがないことです。それでも、まだ体の自由がきいていたときに、もっとできることや、してやれることがあったのではないかと悩みました。
 祖母は昔から口が達者な人で、寝たきりになってからは夜中でもさわぎだすようになってしまいました。私も少なからず迷惑していましたが、管をつけるかどうかになったとき、まだ元気だったころの祖母の姿が思い出され、とても複雑な気持ちになりました。私が小さいころ、怖い夢を見ては祖母のふとんにもぐりこんだり、買物にも祖父の運転で、三人でよく一緒に行きました。気難しいところもあったけれど、かわいがってもらっていたので、呆けて別人のようになっていくのを見るのは本当につらいものがありました。幼いころの温かい思い出が、どんどん塗り変えられてしまうような気がしたのです。いつか祖母が亡くなってしまったとき、祖母との思い出が、昔のものではなく、最近の会話が成り立たない祖母のものばかりになってしまうのではと。
 現在、日本の高齢者数は全体の二割を超え、介護が必要な人の数も年々増加しています。しかし、若い人の数は減っており、一人にかかる介護への負担が大きくなっています。世界有数の長寿国になったというのに、介護体制は万全とは言い難いのが現状です。
 介護疲れで高齢者の方を手にかけてしまったというニュースを度々目にします。高齢者とされる六十五歳以上といえば、ちょうど戦争を体験した年代です。戦争を乗りこえ戦後の日本を支えてきた偉大な祖父母たちが、長生きをしたことによって家族に見放されるなんて悲しいことがあってはいけません。介護する側の人は、家族・親戚と十分に協力し、一人が大変な思いをしないようにしてほしい、たまにはデイサービスにあずけて、リフレッシュするのもいいと思います。介護をする人にも、自分の人生を楽しむ権利、それこそ「人権」はあるし、いつもとちがう刺激があった方が、呆け予防にもなります。周りの人も、「自分の親族なのだから介護するのはあたり前。」なんて思わないでほしい、実際に介護するのは想像以上に大変です。
 「すばらしい人生だった。」と笑って終われるよう、遺された人の思い出が良いもので満ちているよう、介護の現状を変えていく必要があります。それが、私達も必ずなる高齢者の人権を守ることにも繋がると思うからです。

 

 この作文に出てくる由菜さんのおばあちゃんは,今年の1月に他界されました。ご冥福をお祈りいたします。
 
  西仙北中学校 新2・3年生へ   統合して学校はどこが変わるの?
 
 平成23年度もあと1ヶ月と少しを残すばかりとなりました。4月1日からは,新生西仙北中学校が誕生します。これに先立ち,現在の1年生,2年生が統合すると,学校は何が変わるのか,をお知らせします。
 
☆ 学級
  新1年生は,現在77名の入学者予定です。秋田県の少人数学級が適応され,普通学級3に特別支援学級2の5学級となります。
新2年生は,東48名+西19名の67名,新3年生は,東50名+西20名の70名となります。全校で214名の学校となります。
これに伴い,現状では,教室が足りなくなり,現在の2年B組を改築して2部屋にします。4月からの教室は,3年生が,現生徒会室,現図書室(すでに普通教室になっています),2年生が,現3A,3B教室,1年生が現1A,1B,2A,特別支援教室が2Bの2部屋となります。12月中に,図書室は多目的教室に移動し,図書室としての機能を果たしております。また,多目的教室の左側は,現在「心の教室」となっていますが,来年度も引き続く予定です。生徒会室は,パソコンルームの一角に引っ越しをしています。
☆ 先生方の人数
  現在の東中学校の職員数は,校長,教頭,養護教諭,事務主任が各1名,教諭が12名(講師1名を含む),技能員1名,校務補助1名,事務補助(統合に係る補助)1名で19名となっています。これに,他校との兼務職員が4名(英語助手,専門監,心の教室相談員,教科教員)です。19名の中には,国の少人数加配教員が2名含まれています。
  来年度は,現在の教職員配置基準では,校長,教頭,養護教諭,事務主任が各1名,教諭が13名,技能員1名,校務補助1名,の19名になります。ただ,今後,今年度と同じように,加配人数等が確定されれば,教諭の人数は増える可能性があります。閉校に係る事務補助は無くなります。
☆ 制服,体育着
 2・3年生の制服は,東中は東中の制服で,西中は西中の制服になります。体育着も現在の物を使用します。ズックも現在の物を使用します。ただ,買い換えをするときは,新しいズック(学年色に沿って)を購入してください。来年度の学年の色は,1年生が青,2年生が緑,3年生が赤です。これが関係してくるのが,ズック,名札,自転車通学のヘルメットです。体育着も,新1年生の体育着を購入して着用してもかまいません。お兄さんお姉さんからのお下がりを着てもかまいません。
☆ 名札,ズック,ヘルメット,校章
 名札は,来年から縫いつけになります。新2・3年生については,学校で準備します。ズックは,前記したように買い換えの時は,学年色のズックを購入願います。ヘルメットの校章シール,ステッカーは配布します。ブレザーの左に現在の東中の校章をはずして,そこに新しい校章を付けます。この費用について現在検討中です。また,カバンの校章については,無料配布します。
☆ 部活動について
  東中にある部活動と西中にある部活動が継続されます。それ以外の新しい部活動はできません。
○文化部 男女 吹奏楽部,生活科学部,パソコン部○運動部 男子 野球部,バスケットボール部,
        バドミントン部,卓球部
     女子 バレーボール部,ソフトテニス部
        バドミントン部
○季節部 男女 陸上競技部,駅伝部
 
 ただし,上記以外に地域で活動しているスポーツで,中学校体育連盟の大会に出場したい生徒は,校長の許可があれば出場できます。   (次号に続く)
 
3月の行事
 
01(木)卒業式練習
02(金)卒業式練習
03(土)男子バスケットボールぽぽろカップ(由利本荘市)
06(火)高校一般入試,1・2年生実力テスト
07(水)卒業式予行
08(木)卒業式
09(金)高校一般入試追試験
12(月)2B教室改築工事開始
13(火)高校一般入試合格発表
14(水)1・2年生スプレーアート授業
15(木)東西中学校生徒会交流会,刈和野小学校卒業式,高校後期選抜受付開始~19日
16(金)土川小学校卒業式
21(水)大清掃,修了式
22(木)高校後期選抜
24(土)高校後期選抜合格発表
25(日)スプリングコンサート,バレーボール角館南高校招待大会
26(月)統合関係備品運搬作業,バドミントン全国選抜(2年生2名,1年生1名)
27(火)郡市内高校説明会
28(水)離任式(西仙北中学校に赴任しない先生方のお別れ会)
4月
04(水)新任式・始業式,新入生一日登校日
05(木)給食開始
06(金)入学式(午後2時〜)