大仙市立西仙北東中学校
 学校通信 
2012.1.20 
No.34

 
 
後期 後半スタート
 
 2012年があけました。今年は辰年です。
 干支(えと)には十二支(じゅうにし)と呼ばれるものと十干(じっかん)とよばれる「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十種類に分け方がありその組み合わせによって名前が決定されています。
 今年の辰年は,十干は「壬(みずのえ・じん)」、十二支は「辰(たつ・しん)」なので、干支は「壬辰(みずのえたつ・じんしん)」となります。この辰年の特徴は正義感と信用だそうです。
 
 本校では,1月16日(月)に全校朝集会を開き,後期後半について,次のお話をしました。
 
 冬になってから,多目的ホールでの集会になったのですが,放送一つで,全校の生徒が,騒ぎもせず整列することが出来るようになりました。生徒の皆さんの成長が目に見えて向上してきました。
 3年生は,目前の高校入試に向けて,今が一番力を入れる時期となりました。今まで以上に学習に取り組んでほしいと思います。
 2年生は,新生西仙北中学校の第1期生となるわけですが,開校後,4月17日の全国学力学習状況調査の抽出校として秋田県代表になりました。1・2年生の学習のまとめということを考えても,この機会にじっくり取り組み,代表校としての力を発揮してほしいと思います。
 1年生も,中学校生活に慣れ,最近は態度も立派になってきました。中学校1年生の学習を取り残すことなく,まとめに入ってほしいと思います。
 最後に,あいさつについてお話しします。30年前に日本サッカー協会専務理事(長沼健 氏)の書いたものを最近読んだところ,古くて新しい「あいさつの重要性」について書かれていました。(集会ではお話できなかったので,この通信で転載します。)

 なぜかというと,彼は中学に行っても高校に行ってもサッカーをやるかもしれない。サッカーを続けるなら「おはよう」と言う子のほうが早くうまくなるんです。持っている能力がより多く花が咲くんです。これはあえて絶対と言います。例外なしです。言わない人より言う人のほうが早くうまくなるんです。仲間に理解されるのが早いんです。仲間を理解するのも早いんです。難しく言えばコミュニケーションでしょうけれども,コミュニケーションなどとややこしいことを言うことはない。「おはよう」と言えばそれがコミュニケーションです。「おやすみ」「お疲れさん」「ご苦労さん」「ごちそうさま」の言えない者がコミュニケーションをよくしてなどと言うにはちゃんちゃらおかしいと言うんです。これが出発点ですから,また終点でもあるかもしれません。日本の武道がそれを言っているわけでしょう。(NHK文化講演会8昭和57年NHK編)

 3年生は冬休み中に,面接の練習をしました。「中学校で頑張ったことは何ですか?」と聞きました。ある生徒が「僕は,小学校のときに,あいさつがいいとほめられたので,中学校でもあいさつをすることを頑張りました。」と答えてくれました。部活動や清新祭の話が出てくるのかと思ったら,あいさつをがんばったという素晴らしい事柄が出てきて驚きました。
 何も買わずに出たスーパーで,「またいらしてください」と言われたとき,それはお客さんを思う心があるからで,言われた方はとても良い気分になります。
 あいさつをすることは,自分を開くことであり,相手を思うことにもつながります。今年度の最後の時期に,あいさつを今一度徹底し,西仙北東中学校の有終の美を飾りましょう。
 
水曜日 定例朝全校集会
 
 1月18日(水),定例の生徒会主催朝集会がありました。今月のテーマは,「新年の抱負」です。
○3年A組
・佐々木貴弘さん
 「粉骨砕身」力の限りをつくす。勉強をがんばり,高校では甲子園を目指す。
・佐々木許妃恵さん
「不撓不屈」何事もがんばる。受験では,面接官に自分の意志を伝える。
・菅原礼美さん
  受験合格を目指し,面接練習の成果を出す。高校でいろんなことに挑戦する。
・松本西寿さん
 「一刀両断」物事をすばやく終えられるように頑張る。
○3年B組
・小松純太さん
  高校に受かる。前期試験なので面接練習を頑張る。
・佐藤伸治さん
  第一希望の高校に受かるように勉強を頑張る。
・小松優太さん
  受験に合格するように勉強を頑張る。
○2年A組
・小笠原陸さん
あいさつを頑張る。廊下で先生や先輩に,あいさつがあまりできていないので,積極的にしたい。地域の方にもしたい。
・藤川稜也さん
あきらめやすいから,家庭学習を継続する。
○1年A組
・伊藤優輔さん
あいさつをしっかりやる。廊下で会った先生へのあいさつを頑張る。
・佐々木唯さん
  勉強を頑張る。4月から2年生になるので1年生の復習を頑張る。2年生の勉強も頑張る。
○1年B組
・斎藤大暉さん
  部活でレギュラーをとれるように頑張る。
・進藤佳那子さん
  集中力をつける。難しい問題を放り出さないようにしたい。昨年達成できなかったことを頑張りたい。 
 
 コロンブスの卵わくわくサイエンス事業
 
 冬季休業中の標記研修会(12月26日〜28日,千葉,東京方面)に1年生阿部倫己さんが参加しました。旅行記を掲載します。

大仙市中学生
首都圏大学・総合研究所派遣事業に参加して
1年 阿部 倫己
1 はじめに
 僕は幼い頃から科学者になりたいという夢をもっています。小学5年生のとき,あるテレビ番組をきっかけに元素について興味をもちました。それがきっかけとなり,元素記号を覚えたり,理科の授業で行われる実験に積極的に取り組むようになりました。先生から今回の派遣事業のことを聞いたとき,ぜひ参加していろいろ学びたいと思いました。派遣事業に参加できることが決まったことを聞いたとき,すごくうれしかったです。12月8日(木)に行われた説明会では,他校の人もいました。他校の人とも一緒に学ぶことができ,同じ世代の人からもいろいろ学びたいと思いました。

2 理化学研究所を訪問して
 1日目は埼玉県和光市にある理化学研究所を訪問しました。ここでは,化学と脳に関することを勉強しました。この研究所は,新元素(113番)の発見など偉大な研究を成し遂げた研究所だと聞いていたので,訪問するのをとても楽しみにしていました。
 理化学研究所では,最初に研究所の歴史について勉強しました。理化学研究所の設立に力を注いだ渋沢栄一氏や「理研の三太郎」と呼ばれている長岡半太郎博士(土星型原子モデルを発見),本田光太郎博士(KS磁石鋼を作ることに成功),鈴木梅太郎博士(ビタミンB1の発見)など教科書や参考書で聞いたことのある研究者の名前が出てきてびっくりしました。また,この理化学研究所が日本の科学技術の研究に大きな影響を与えていることを知ることができました。
 続いて,脳科学総合研究センターに行きました。僕は脳に関する知識がほとんどなかったので,聞くことすべてが驚くことばかりで,とてもおもしろかったです。そのなかでも一番心に残っていることは,「物事を身に付けるには得意な時期がある。その時期以外だと身に付けるのに苦労する」ということです。脳科学総合研究センターの先生が教えてくださった「勉強やスポーツ,友達関係など中学生のときにしかできないことがある」という言葉がとても印象に残っています。これからの僕の生活の仕方を見直すいい機会になりました。
 最後に仁科加速器研究センターに行きました。ここでは,僕が一番興味をもっていた新元素の発見に貢献した加速器のことを勉強しました。「サイクロトロン」という加速器は,電磁気の力を利用して粒子を加速して原子核を調べるものです。予想よりも大きくて,とても迫力がありました。ここで世界で未確認だった113番元素の発見に成功したということを聞き,感激しました。世界で認められると,日本で初めて元素の名前をつける権利を得ることができるそうです。また,ここで発生したビームをガン治療や環境,エネルギーに生かす研究も進められていると聞き,これからの研究の成果がすごく楽しみだなぁと感じました。

3 千葉大学医学部を訪問して
 2日目に千葉大学医学部を訪問しました。ここでは,医学はもちろん,微生物や細菌のことを勉強しました。
 最初に千葉大学医学部病原分子制御学の野田公俊教授の講義を聞きました。野田先生からは,人間の肉眼では見ることができないミクロの世界に住んでいる微生物のことを勉強しました。そのなかで,すごい事実を知りました。それは,現在世界で1年間のうちに微生物が引き起こす感染症で命を失った人の数が2000万人に達しているということです。これは,東京の人口の約2倍に相当します。「こんなに医療が進歩しているのになぜだろう?」とすごく疑問に思いました。また,病原菌の中には,薬が効かない薬剤耐性菌も21世紀には発生しており,ワクチンや抗生物質ではない新規戦略が必要だということも知るとともに,こうした病原菌を治す薬の開発の必要性を感じました。
 講義の後は,電子顕微鏡を使い,大腸菌や緑濃菌の増殖する様子を観察しました。電子顕微鏡は,はじめのうちは,使い方がよくわかりませんでしたが,係の人に聞いたりして使い方がわかってくると,とても楽しくなりました。今回は大腸菌と緑濃菌,そして2つの菌を合わせたものを見ました。3つともとても小さかったけれど,特殊な液を垂らすと,赤色と紫色に分かれて,とても見やすかったです。実験の後,野田先生から「未来博士号」の修了証書をいただきました。とてもうれしかったです。

4 事業に参加して
 この3日間は,とても充実したものになりました。難しく,理解するのが大変なこともありましたが,僕にとっては驚きと発見の連続でした。また,研究されている方々が情熱をもって僕たちに接してくれ,丁寧に説明してくださる姿をみて,とてもうれしくなりました。
 日本には,世界最先端の科学を一生懸命研究している人がたくさんいることを改めて知りました。そうした方々の姿から,どんなに大変な苦労や難しいことがあっても,あきらめずに常に前に進む努力を怠らないことを学ぶことができました。僕もこれからは,困難にくじけず,何事にも挑戦していこうと強く思いました。
 また,この3日間で他校の中学生とも交流することができました。はじめは緊張しましたが,勉強や部活の話をしたり,行動を共にするなかで,とても仲良くなりました。またみんなで会いたいです。
 普段の中学校生活では体験することのできない,夢の実現に向けた大きな一歩となった貴重な3日間になりました。こうしたすばらしい機会を与えていただいたことにとても感謝しています。ありがとうございました。