大仙市立西仙北東中学校
 学校通信
   2010.11.19 No.29

              
 
わか杉思考コンテストから
 
 先週土曜日に行われた「第3回わか杉思考コンテスト」には、大仙市・仙北市・美郷町の小学生54名、中学生42名計96名が参加しました。小学生で3名欠席でした。 問題は、小学生部門は満点者が出ましたが、中学生部門は昨年度より難易度が高く、深い思考をしなければゴールに届かない問題もありました。96名の小・中学生が、9時10分から11時10分まで、2時間もの長時間、一つの問題に取り組んでいる姿は圧巻でした。本校の7名の出場者も、最後まであきらめることなく考え続けました。 それでは、中学校部門の問題を少し紹介します。問題は1から6までの大問です。電卓を使用してもいいです。
 
問題1 次の計算が正しくなるように、□に数字(0,1,2,・・・・9)を書き入れなさい。
     2010
   ×  □□□
    □□□□□  ←ア
   □□□□□   ←イ
   □□□□  
   777□□□
 
 毎年西暦(今年は2010)に関する四則演算の虫食い算が出ますが、今年もかけ算として出題されました。ほとんどの参加者が正解に到達しました。
 2010にある1桁の数をかけると、必ず百の位と1の位が0になります。また、アとイの5桁になっているところでは、万の位が1となります。なぜなら、九九の2の段は、最高で2×9=18だからです。そうすると問題を眺めているだけで、9つの□が埋まります。
     2010
   ×  □□□
    1□0□0
   1□0□0
   □0□0  
   777□□0
 このあと、積の万の位が7となっていますので、かける数の百の位は3となることがわかります。という具合に考えていくと他の□にも数字が入り、答えに到達します。
     2010
   ×  3□□
    1□0□0
   1□0□0
   6030  
   777□□0
      ↓
     2010
   ×  38□
    1□0□0
   16080
   6030  
   7778□0
      ↓
     2010
   ×  387
    14070
   16080
   6030  
   777870
 
問題4 斉藤さんは、下の図のように白の碁石を上から順番に1個、2個、3個、・・・・n個と並べていきました。石田さんがその中のある段の碁石をすべて除いた後、斉藤さんは残りの(n−1)段について、1段あたりの碁石の数の平均
         98
 を調べたところ
          3
になりました。石田さんは上から何段目の碁石をすべて除いたでしょうか。
 
      ○      1段目(碁石は1個)
     ○ ○     2段目(碁石は2個)
     ○ ○ ○    3段目(碁石は3個)
    ・・・・・・ 
  ○・・・・・・・○  n段目(碁石はn個)
 
 この問題は、まずどんな問題なのか、問題で問われていることの意味を考えなくてはなりません。そこで、n個ではなく、具体的なところで、10段までを調べてみます。
 10段までの碁石の数は
 1+2+3+・・+7+8+9+10
=55です。この出し方は10×11÷2で出ます。
 この中から、最小で1を除いた9つの段の平均を出すと
 (55ー1)÷9=6 となります。
 また、最大の数10を除いた9つの段の平均を出すと
 (55−10)÷9=5 となります。
 具体例が一つだけだと不安ですので、もう一つ20までの段を調べてみます。
 1+2+・・・19+20
 =20×21÷2=210
 同じように最小、最大を調べると
 (210−1)÷19=11
 (210−20)÷19=10
となります。
 ここまでをまとめてみると
 
10段まで9段あたりの平均5〜6
20段までの19段あたりの平均10〜19
          98
 そこで、問題の平均を調べると
           3
  98    2
=32=32.66・なります。
  3    3
 そこで、予測をします。
10段まで・・・・・ 5〜 6
20段まで・・・・・10〜11
30段まで・・・・・15〜16
40段まで・・・・・20〜21
50段まで・・・・・25〜26
60段まで・・・・・30〜31
 
ということで、60段を超えると、平均が30を超えることがわかります。
 そこで98/3の分母が60になるようにすると
 98×20/3×20=1960/60
 
61段目までの和を求めると
 61×62÷2=1891
 1960−1891=69 なので
61段目までなので、69はありえません。
 次に、98/3の分母が3×21の場合、
 98×21/3×21=2058/63となります。
64段目までの和を求めると
 64×65÷2=2080
 2080−2058=22
となり、64段目までに22はあるので、答えは22段目となります。
 ちなみに、3×22の場合を考えると
 98×22/3×22=2156/66で、67段目までの和は
 67×68÷2=2278
 2278−2156=122
となり、67段目までに122はないので、ありえません。これ以降も同じ状況が続きます。ということで、答えは22でした。 
 この問題のポイントは、数の和の求め方です。なぜ、1から10までの和が
10×11÷2=55 という計算方法で成り立つのか、次のように考えるといいです。
 S=1+2+・・・・+8+9+10
 S=10+9+・・・ +3+2+ 1
として、両辺を足します。
 
 2S=11+11+・・・・+11
 2S=11×10
  S=11×10÷2=55
 
 普段の授業の中で、コンテストのような問題を解くことは、1年に数回くらいですが、ときにはこのような問題をじっくり解くことも楽しく感じます。「すぐわかる」から「すぐわからない」問題をどのように解いていくか、筋道を考えるのも数学の楽しさとなります。 
 なお、問題全てについて知りたい方は、インターネットで「平成22年度わか杉思考コンテスト」と検索に入れて、そのページの「主な施策・事業」をクリックすると見ることができます。
 
校内授業研究会1年A組、2年B組
 
 11月17日(水)に、1年A組で数学、2年B組で体育の校内授業研究会がありました。
 数学は担任である村田文子先生が、「比例と反比例」の単元で、「いろいろな問題をグラフを利用して解決することができる」をねらいに授業を行いました。まるちゃんとタマちゃんが図書館まで歩くのですが、歩く速度が異なり、そこから色々な問題が派生し、それをグラフを参考にしながら解決していくという授業でした。スマートボード(電子黒板)を使って、生徒たちは鮮やかに解きました。
 体育は、石川真一先生が、「体つくり運動に積極的に取り組むことができる」というねらいで、サーキットトレーニングを授業に組みながら行いました。特に印象的だったのは、4人くらいの輪になって、長い棒をそれぞれが持って、いっせいの!で、隣の人の棒が倒れる前に、その棒をキャッチする、という運動です。簡単なようで汗だくになりなかなか難しい動作でした。