秋田県大仙市立協和中学校
大志行深(たいしぎょうじん)とは 「大きな志をたて、その目標達成のために、精魂をつくして実行することが自分を深める (自己をよりよく向上する)ことになる。」ということです。 この言葉には、もっと深い意味があります。 大志という言葉は、現在の北大の前身札幌農学校で、すばらしい実績をのこしたクラーク博士が、 アメリカへ帰るとき教え子に残したあの有名な言葉「少年(青年)よ大志を抱け」からとったものです。 明治10年の4月、アメリカへ帰るクラーク博士を見送りに来た教え子である農学校の生徒たちに、 「Boys,be ambitious 」と言い、馬にむちをあて走り去っていくわけです。 それには、クラーク博士が体験したアメリカの開拓精神が基になっています。 クラーク博士の願いは、この未開の北海道の地に、 彼の理想を実現するための人間を育てることにあったのです。 博士の1年間の珠玉のような教えや体験が、この言葉に集約されているのではないでしょうか。 「大志」には、もう一つの意味があります。 協和中学校の建っている場所を「大志の丘」といいます。 昭和42年から山野であるこの場所を協和町の教育の森にしようということで、次々と開発していきました。 その最初の建設が協和中学校だったのです。 校舎が建ち、陸上競技場、野球場がつくられていきました。 周りは地肌をさらした土ころでした。 そこで、先生方、校務員、PTAの皆さん、地域の方々、協和中の全生徒が、 一丸となって額に汗し、樹木や植木を植え、小さな丘、庭、池などを造りました。 そして、この地をクラーク博士の言葉をいただき「大志の丘」と命名しました。 また、「鵬の池」、「青雲の庭」、「飛躍の像」、「修練坂」などと次々と名をつけていき、 みんなですばらしい協和中学校を築いていこうと誓いあったのでした。 そのことは町民の願いでもあったのです。 今、校庭にはそれらの樹木や植木が見事に成長しています。 この大志の丘で、すばらしい先輩たちが多くの輝かしい伝統を築きました。 「行深」という言葉は、簡単にいえば、行うことによって、自己を深めるということです。 口では立派なことをいっても体を動かそうとしなかったり、 計画を立てても実行しなかったりでは、自己の向上はありません。 まして、やるべき仕事をなまけたり、悪いことをしたりしている人は問題外です。 「行」は、修行、練行、難行苦行などということで、自己をよりよく向上させるために、 苦しさに耐え、日々実践(修練)することが大切であることをいっています。 そして、「行」によってこそ、自己を深めることができるのです。 自己を深めるということは、自己をよりよく向上させることにより、 心豊かな人間性を深めることなのです。